株だけでなく不動産投資信託にも興味があります。その中でも『ダイワJ-REITオープン』というファンドが人気という情報をネットで見ました。
『ダイワJ-REITオープン』は東証REIT指数に連動するファンドです。J-REITの中でも人気ですが、僕はあまりおすすめしません。その理由を2つ挙げてご紹介します。
投資信託の人気ランキングについてネットで検索してみると、意外と上位に入っている銘柄が『ダイワJ-REITオープン』です。この投資信託は一体どんな商品なのでしょうか?あくまで、僕個人の意見ですが資産運用を行う先としてあまりオススメできません。なぜ、オススメできないのか?解説していきます。
そもそも『REIT』ってなんですか?という初心者の方も安心して読み進めてください。基本的なお話から解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
【ダイワJ-REITオープンをオススメできない理由】
①毎月分配型ファンドは資産形成に不向き
②信託報酬が高い
そもそもJ-REITってなに?
J-REITについてご存知でない初心者の方のためにJ-REITに関する解説から始めます。もうご存知の方は、この章は飛ばして読んでください。
『REIT』というのは『不動産投資信託』のことです。

仕組みは通常の投資信託と同じです。私たち出資者から集めたお金をまとめて、不動産に投資します。不動産運用から得られた収益を出資者に分配する仕組みです。REITはアメリカ生まれなので、単に『REIT』というと米国の不動産投資信託を指します。日本版のREITのこと『J-REIT』と言うのでお間違いのないように。
ダイワJ-REITオープンってどんなファンド?
一言で説明すると『東証REIT指数に連動するようにJ-REITに投資するインデックスファンド』です。といってもわかりませんよね。もっと噛み砕いて解説します。
まず、東証REIT指数についてです。東京証券取引所に上場しているJ-REIT(不動産投資信託)銘柄、全ての平均値をとった数値のことを『東証REIT指数』といいます。ざっくりJ-REITの平均値と思っていただければOKです。

この平均値とほぼ同じ数値になるように、東証REIT指数を算出するためのJ-REIT銘柄をそっくりそのままパクって投資します。このように指数に連動するように丸パクリして、半自動的に投資するファンドのことをインデックスファンドと言います。もっと簡単にいうと『東京証券取引所に上場するJ-REIT全部買っちゃいますファンド』です

おすすめできない理由①
毎月分配型は資産形成に不利
では、なんでこのダイワJ-REITオープンへの投資をオススメできないのか?理由は2点あります。まずひとつの理由は『毎月分配型であるから』です。分配金をもらえるならお得じゃないかと思う方もいらっしゃると思います。しかし、気をつけてほしいのが「タコ足分配」です。

投資信託の分配金は出資者から集めて運用される純資産から分配されます。
もし、運用成績よりも分配金の方が高ければどうなるでしょう?
実は運用成績が悪ければ、皆様から集めたお金をそのまま『分配金ですよ〜』と言って返す構図になります。これをタコ分配といいます。タコは空腹になると、自分の足を食べるそうです。また足が生えてくるものの、それで空腹が満たされているとは言えませんよね。
長期の資産形成を考えているのであれば、複利の力を最大限に活かさなければいけません。そのためには投資元本を増やすため、出た利益を分配金で受け取らず再投資に回した方が効率的に資産を増やせます。
おすすめできない理由②
インデックスファンドにしては手数料が高い
前述した通り、ダイワJ-REITオープンは東証REIT指数に連動するインデックスファンドです。インデックスファンドの特徴として、手数料が安いことが挙げられます。銘柄選定や短期売買をするためプロの投資家を雇う必要がなく、指数に連動するように機械的に銘柄を買っていくため手数料が安いのです。しかしダイワJ-REITオープンの場合は信託報酬0.792%なので、インデックスファンドにしてはちょっとお高めです。これがどれくらい高いのか?東証REIT指数連動型の他のインデックスファンドと比較してみましょう。
ファンド名 | 信託報酬 |
ダイワJ-REITオープン | 0.792% |
eMAXIS Slim 国内リートインデックス | 0.187% |
Smart-i Jリートインデックス | 0.187% |
野村インデックスファンド・J-REIT | 0.44% |
信託報酬とは、そのファンドを保有しているだけで継続的に払われる手数料です。これも純資産から差し引かれます。投資元本を減らす要因になってしまうため、信託報酬は安ければ安い方が良いのですが。ダイワJ-REITオープンはダントツで高いですよね。さらに毎月分配型なので、純資産が減りやすいファンドと言えます。
長期で資産形成をしたいなら株式投資信託が良い
投資には正解はありません。未来予測は誰にもできないからです。「この投資は絶対にうまくいく」「この投資は絶対にダメ」という議論は、全く意味のないことです。しかし、数値を見比べた時に「ダイワJ-REITオープンに対して積極的に投資したいか?」と聞かれると、僕は投資できないです。なぜならば、もっと良い投資信託がたくさんあるからです。例えば米国株式インデックスファンドです。長期での資産形成を考えているならば、米国株式インデックスファンドをおすすめします。


「J-REITがダメ」という話ではありません。僕個人としてJ-REITはあまり好きではないのですが、これはあくまで個人の好みの問題です。もしかしたら数十年後に「J-REITに投資しててよかった!!」と思う未来が待っているかもしれません。仮にそうだとしても、手数料の高いファンドよりも安いJ-REITファンドを選んだ方がお得ですね。
【ダイワJ-REITオープンをオススメできない理由】
①毎月分配型ファンドは資産形成に不向き
②信託報酬が高い