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【50代貯金なし】でも大丈夫!お小遣い投資で老後を乗り切る攻略法

50代になると、老後の問題が目の前に立ちはだかります。そんな中、貯金がない状態だと、老後に対する不安がさらに強くなるでしょう。

しかし、50代で貯金がゼロでも問題ありません。日本には、優秀な制度が数多くあり、そうした制度をフル活用すれば、老後も快適な生活を送れます。

この記事では、貯金ゼロの50代が老後安泰の資産を作る方法について詳しく解説します。

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【目次】

50代の約3割〜4割が貯金なし

金融広報中央委員会が2023年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上世帯(世帯主が50代)の27.4%と、単身世帯の38.3%が「貯金なし」と回答しています。

この調査結果から50代のうち約3割〜4割は貯金がないという実情がわかります。

50代は、自分の体の衰えなどを感じ始める時期で、親の介護などを通して、老後への不安も高まる年代です。そんなときに貯金がないと、将来へ向けてどのように備えればいいのか戸惑ってしまうのではないでしょうか。

しかし、50代はまだまだ働ける年代です。計画的に準備を進めていけば老後資金を準備することは可能です。ただし、貯金ゼロから老後生活を安定させるためには、貯金や投資をするだけでなく、年金などの国制度をフル活用することが重要です。

貯金がないなら年金とiDeCoをフル活用しよう

50代で貯金ゼロの状態から老後のお金を作るには、国の制度をフル活用しなければいけません。とくにポイントとなるのが年金iDeCoです。

ここでは、貯金がない状態から老後生活を安定させるために重要なポイントを3つご紹介します。

繰り下げ受給で年金額を増やそう

貯金ゼロから老後資産を作るときに、とくに重要になるのが年金です。

年金は、基本65歳から受け取れるものですが、受け取りのタイミングを遅らせるごとに受給額が増額し、最大1.84倍まで増額できます。

受給開始年齢繰り下げ月数増額率(目安)
66歳0ヶ月 12ヶ月 8.4%
67歳0ヶ月 24ヶ月 16.8%
68歳0ヶ月 36ヶ月 25.2%
69歳0ヶ月 48ヶ月 33.6%
70歳0ヶ月 60ヶ月 42.0%
71歳0ヶ月 72ヶ月 50.4%
72歳0ヶ月 84ヶ月 58.8%
73歳0ヶ月 96ヶ月 67.2%
74歳0ヶ月 108ヶ月 75.6%
75歳0ヶ月 120ヶ月 84.0%
参考:年金の繰り下げ受給|日本年金機構


さらに、増やした金額は亡くなるまでそのまま受け取れるため、仮に繰り下げ受給の金額で十分生活できる方の場合は、貯金がなくても問題なく生活できる可能性があります。

老後の計画を立てるときには、将来年金をいくら受け取れるのか正確に計算してから、自分で備えるお金を算出しなければいけません。

iDeCoで節税しつつ資産を増やそう

iDeCoは、掛金の全額控除を受けながら、投資信託などで資産を増やせる制度です。とくに50代で働いている方は、社内でも存在感のあるポストで働いているケースも多く、収入から差し引かれる税金や社会保険料の負担が大きくなってしまいます。

iDeCoで掛金を拠出することで、税負担を抑え、浮いたお金をさらに貯蓄に使えるようになります。

実はiDeCoは、60歳までお金を引き出せなくなることから、若い世代にはあまり人気がありません。若ければ若いほど、老後までの時間が長くなり、その間何が起こるか予測できないからです。

しかし、50代は事情が変わります。たった10年引き出せなくなるだけなので、ある程度将来の見込みは立ちます。そのため50代以上の世代は、若い世代よりも圧倒的にiDeCoを使いやすくなるのです。

また、掛金は60歳まで引き出せないため、半ば強制的に資産を作れる意味でも貯蓄するのに向いている。

長く働くことが大切

貯金がない方は、できるだけ長く働くことが重要です。長く働けば働くほど、運用できる金額が増え、運用期間も長くなります。目指すのは、繰り下げ受給の最大値である75歳まで働くことです。

「長く働くなんでしんどい」と思う方もいるかもしれません。しかし、日本の健康寿命は年々伸びています。

厚生労働省の資料「健康寿命の令和4年値について」によると、健康寿命は右肩上がりに伸び続けており、令和4年時点では、男性が平均72.57歳、女性は平均75.45歳。まだまだ健康寿命が伸びる可能性はあり、75歳まで働くことは非常に現実的な数値と言えるでしょう。

今の75歳よりも元気な可能性が高いので、できるだけ長く働き、自分の収入で生活できていれば年金に頼らず繰り下げ受給を実現するのも現実的です。

また、iDeCoの受け取りも60歳〜75歳の間ならいつでも受け取れます。投資信託は、運用期間が長ければ長いほど複利の効果で増えていくため、できるだけ引き出さずに運用するほうが受け取れる金額が増える可能性が高まります。

必要な資産を減らしつつ、受け取れるお金も増やせる。まさに一石二鳥の施策として、長く働くことが重要です。

「50代貯金なし」から老後安泰の資産を作る方法

50代で貯金ゼロの方が老後へ向けて資産を作るためには、以下の手順で進めましょう。

  1. 家計を見直す
  2. 年金がいくらもらえるか計算する
  3. 何歳まで働くか検討する
  4. いくら足りないか計算する
  5. iDeCoの拠出額を決める
  6. できるだけ長く働く

ここからは、貯金ゼロの50代が老後安泰の資産を作るための各手順について詳しく解説していきます。

1、家計を見直す

老後の資産を作るためには、まず家計が回っていなければいけません。まずは家計を見直し、自由に使えるお金を作るところから始めましょう。

家計を見直す際には、以下の手順で進めます。

  1. 毎月使っているお金を書き出す。
  2. そのお金を「消費」「浪費」「投資」に分ける。
    *消費⇨なければ生活できないお金、浪費⇨なくても生活できるお金、投資⇨将来戻ってくるお金
  3. 「浪費▶︎投資▶︎消費」の順に不要なお金を洗い出していく

ただし闇雲に節約生活を送っても、日々我慢し続ける生活なんて長続きしません。3つにカテゴライズすることで、本当に必要なお金と不要なお金を仕分けやすくなります。完全な主観で構わないので、浪費から順番に不要なお金を削っていきましょう。

2、年金がいくらもらえるか計算する

老後に向けて準備をするときには、必ず年金がいくらもらえるのか確認することが大切です。老後に受け取れる年金額を知らないまま老後に備えるのは、行き先がわからない旅行の準備をするようなものです。

どこに行けばいいのかわからなければ、夏服と冬服のどちらを持っていくべきか、アメニティは必要なのか全くわかりませんよね。年金額を知らずに老後に備えるのは、まさにこの状態です。

しかし、私がこれまで話を聞いてきた方々を見る限り、年金の金額を知らないまま投資や保険を始めている人は、かなり多いように感じます。

年金を確認する際には、ねんきん定期便を確認しましょう。「老齢年金の見込み額」という欄に老後に受けて取れる年金額が記載しています。50代であれば、これから若干増える可能性もありますが、ほぼその金額だと考えておいて良いでしょう。

ねんきん定期便がない方は、以下の計算式で計算すると、概算の年金額が求められる。

83万1,700円+(平均年収 × 加入年数 × 0.005481)

基礎年金額や報酬比例部分の係数は定期的に見直されるため、上記の計算式では正確な金額を把握できません。しかし、ざっくりと年金額を知りたい方は、上記の計算式をひとつの目安にしておくと良いでしょう。

3、何歳まで働くか検討する

老後の年金額がわかった方は、何歳まで働くか検討しましょう。老後何歳まで働くべきか迷った場合は、老後の生活費を目安にすると決めやすいです。

一般的に老後の生活費は、子育て中の生活費の約7割になると言われています。そのため今の毎月の生活費から逆算して、7〜8割くらいを老後の生活費と見込んでおいて良いでしょう。

この老後の生活費をもとに、先ほどの年金額をどれくらい繰り下げて受給すれば毎月の生活費を補てんできるか考えてみましょう。もし、75歳まで繰り下げても足りないのであれば、75歳まで働くことを目標にする必要があります。

逆にこの時点で老後の生活費をカバーできる方の場合、理屈上は老後の蓄えがゼロでも生活できます。しかし、将来何が起こるかわからないため、いずれにしておiDeCoで運用しておくことをおすすめします。

4、いくら足りないか計算する

老後の年金を繰り下げて生活費の全額をカバーできる方は、そこまで老後の心配をする必要はありません。しかし、おそらく多くの方が繰り下げ受給をしても生活費が足りないと感じるのではないでしょうか。

そうした方は、老後の生活費(子育て中の生活費の約7割が目安)までいくら足りないのか計算しましょう。

計算方法は以下のとおりです。現在85歳程度なので85歳に設定します。85歳でも不安な方は90歳まで換算してみてもOKです。

(平均寿命85歳 – 繰り下げた後の年齢)× 老後の生活費}-(平均寿命85歳 – 繰り下げた後の年齢)× 年金額}=老後資産の不足分

5、iDeCoの拠出額を決める

老後に不足する金額が算出できた方は、それをiDeCoで備える計画を考えてみましょう。

iDeCoで増やす場合は、複利の計算式を使わなければならないため計算が面倒です。しかし、証券会社などがネット上で公開しているシミュレーターを利用すると簡単に計算できます。

計算式には、利率を設定しなければいけません。iDeCoは、定期預金や保険、投資信託で運用できますが、できれば年利3%以上で運用できる手段を選ぶことをおすすめします。なぜなら、日本の物価上昇率が1〜2%くらいなので、それ以上の利回りがなければ資産の価値が目減りしていくからです。

節税効果も計算できるが、ここでは一旦節税効果は無視して、最終的な「積立金額+運用益」が目標金額に到達するために必要な拠出額を計算してみましょう。

参照:シミュレーション個人型確定拠出年金|楽天証券

6、できるだけ長く働く

iDeCoの拠出額が決まった方は、できるだけ長く働いて運用しましょう。当然のことですが、持病があったり、思わぬ事故にあったりなどのトラブルで突然働けなくなる可能性も十分あります。

何が起こるかわかりませんが、「75歳まで働こう」と考えていることで「働けなくなるリスク」を軽減することは可能です。

たとえば、健康寿命の伸ばすために運動して体力をつける、体力が落ちても働けるように資格やスキルを身につけるなど、そうした小さな行動の積み重ねが、長く働くことにつながるでしょう。(詳しくは後述します)

50代貯金なしからの老後シミュレーション

ここでは、前述した老後戦略をもとに、実際にシミュレーションしてみましょう。

前提条件として、今回シミュレーションする方は、50歳で厚生年金を受け取れる会社員。貯金がゼロで、老後の年金は毎月約23万円を受け取れるものとします。(日本年金機構が出している年金額の平均値)

  1. 1、家計を見直す
    浪費から順番に見直した結果、毎月3万円を節約することに成功。
  2. 年金がいくらもらえるか計算する
    ねんきん定期便から、65歳時点で毎月約23万円受け取れることが判明。
  3. 何歳まで働くか検討する
    現時点では健康面に問題がないことから70歳まで働くことを決める。
  4. いくら足りないか計算する
    計算すると、老後は毎月35万円の生活費が必要だと判明する。70歳まで繰り下げると月32万6,600円受け取れるため、毎月約2万3,400円足りないことになる。85歳まで生きるとすれば…421万2,000円足りない。
  5. iDeCoの拠出額を決める
    会社員は最大毎月2万3,000円まで拠出できるので、家計の見直しで浮いた3万円の中から2万3,000円を運用にまわす。すると70歳時点で522万372円まで資産を増やせる計算になる。
  6. できるだけ長く働く
    70歳まで働くために、体力がなくても働けるWEB系のスキル取得に向けて勉強を始める。

上記の通り、この方の老後安泰の計画は確定しました。

この方は、今はまだ貯金ゼロです。しかし、家計を見直して浮いたお金の中から毎月2万3,000円をiDeCoで運用しつつ、70歳まで働くことで老後の生活はある程度安定していると考えて良いでしょう。

3万円浮いた分の残り7,000円は自由に使えるため、こちらは現金預金として貯金し、年に一回の旅行日にでも充てられるでしょう。

このように将来の計画が立てられれば、現在のお金も自由に使いやすくなり、生活がより充実したものになることもあります。

貯金なし50代が老後に備えるときの注意点

年金やiDeCoを活用することで、50代で貯金がない方でも老後に備えることができます。しかし、いざというときの備えや、iDeCoをより賢く使うコツなどを知らなければ、せっかくの計画が水の泡になってしまうこともあるでしょう。ここでは、貯金ゼロの50代が老後に備えるときの注意点を紹介します。

生活防衛資金を用意しておく

将来に向けて投資をすることは大切ですが、今の生活を守ることも大切です。いざというときのために生活防衛資金を用意しておきましょう。

生活防衛資金とは、事故や病気など予測不可能なトラブルに見舞われたときに家計を支えるための資金のことです。

生活防衛資金の金額は、専門家でも意見が分かれるため判断が難しいところですが、半年〜1年分の生活費を預金で持っておくのがおすすめです。

もし収入が完全に止まってしまったとしても半年以上の時間があれば、次の手を考える時間を稼げます。それくらいの意識で生活防衛資金を貯めておくことが大切です。

完全に貯金ゼロからスタートする場合、まずは生活防衛資金を貯めるところから始めなければいけません。ただし、もし収入保障保険などに加入している場合は生活防衛資金がそこまで必要ないこともあります。

個人の状況によって変わる要素でもあるため、不安な方はFPに相談すると良いでしょう。

退職金とiDeCoのタイミングをずらす

iDeCoは掛金の全額が所得控除の対象になりますが、受け取るときには退職所得控除の対象となります。

運用期間が20年以下の場合は、「40万円×iDeCoの加入年数」が退職所得控除として所得から差し引かれます。また控除された金額がさらに½にされて退職所得として換算。かなり大きな控除なので、税負担の面でも魅力的です。

ただし、職場から退職金を受け取る方は、退職金とiDeCoの退職所得控除が被らないように注意する必要があります。

退職金とiDeCoはどちらも「退職所得」として課税されるため、同じ年にまとめて受け取ると、退職所得控除の枠を取り合うことになります。

退職金と同時にiDeCoを受け取ることで、課税される金額が大幅に増える可能性もあります。

一度退職所得控除を受けてから、次に退職所得控除を受けるには5年超の期間が必要なので、iDeCoの受け取りと5年以上間を開けて退職金を受け取ることが大切。

貯金ゼロから老後安泰計画の疑問

ここまで意気揚々と貯金ゼロから老後安泰までの計画を語ってきましたが、いくつかの疑問点を持っている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、実際のところiDeCoに投資しても大丈夫なのか、長く働くために具体的に何をすべきなのか、などの疑問に答えていく。

iDeCoの掛金を支払えなくなったら?

基本的には、iDeCoへ一度加入すると、その後ずっと掛金を拠出し続けなければいけません。しかし、支払い額を途中で変更することは可能です。

iDeCoは最低拠出額が5,000円となっており、手続きをすることで5,000円まで引き下げられます。いつでも掛金額の変更手続きは可能ですが、実際に切り替わるのは毎年12月からです。

また、どうしても支払えない場合は、拠出を停止して運用指図者(拠出した金額だけを運用する状態)に変更することも可能です。ただし、その間、口座管理手数料や信託報酬などが発生し、引き出すときの退職金控除額も減ってしまいます。できれば、最小金額に引き下げてでも継続して支払い続けることをおすすめします。

長く働くために何をすべき?

長く働くために重要なポイントは健康と仕事です。

まずは健康を維持するために今から生活習慣を見直しましょう。健康的な食生活にして、毎日の運動習慣を身につけることが大切です。健康は日々の積み重ねでしか維持できません。今のうちから取り組みましょう。

長く働くには、あまり体力を使わない仕事を今のうちから探しておくことも重要です。もし、その仕事をするために特定の資格やスキルが必要なら、今からそれを身につけられるように準備を進めておきましょう。すぐに資格やスキルを身につけたいと思って実現できるものではありません。今からコツコツ勉強を始める必要があります。

健康と仕事のいずれにしても、準備が早いに越したことはありません。今から準備をしていきましょう。

まとめ|50代貯金なしなら年金とiDeCoをフル活用

50代で貯金がない方は、老後への不安を感じているのではないでしょうか。
しかし、50代で貯金がなくても大丈夫です。

日本には、年金やiDeCoといった便利な制度があります。いきなり株式投資をする勇気がなかったとしても、年金の繰り下げ受給やiDeCoをフルに活用すれば、老後の資産を作ることはできます。

今の不安な気持ちを解消するには、明確な計画が必要です。

この記事で紹介した方法を参考に老後も安泰な計画を立てて、今から少しずつ準備を始めましょう!

ABOUT ME
野田 晃司
2級FP技能士の資格を持つWebライター。『資産形成をもっと楽しく』をテーマにブログを運営。金融に特化したライターとして、多数の企業から依頼を受けて記事を執筆している。